「ライムストーン・シティ」で優雅な歴史散策

オンタリオ湖からセント・ローレンス川が流れ出す地点にあるキングストンは、古くから交通の要所として、また対岸のアメリカに対峙する軍事拠点として、重要な役割を担ってきました。英国統治下の連合カナダの最初の首都が置かれたのもここ。小さな街ですが、初代首相マクドナルドの邸宅や市庁舎、そして18世紀の砦フォート・ヘンリーなど、歴史的建造物が随所に残り、それらを利用した博物館が17カ所も点在。灰石で造られた白い建物が多いのも特徴で「ライムストーン・シティ」とも呼ばれています。白亜の街並みを楽しみながら、のんびりと史跡めぐりを。

ぜひ訪れたい見どころはココ!

City Hall 市庁舎

Homepage

ドーム型の時計台が印象的な市庁舎は、キングストンを象徴する建物。ここが連合カナダ植民地の首都となった3年後の1844年に完成しました。ライムストーンの荘厳な外観は19世紀を代表する建造物として、カナダの国定史跡にも登録されています。内部見学が可能で、歴史的な写真の数々や見事なステンドグラスなどを見ることができます。5月中旬〜9月中旬の平日にはガイドツアーも行われています(7〜8月は毎日実施)。また市庁舎の前には、湖に面してコンフェデレーション・パークが広がっており、市民の憩いの場として親しまれています。一角にはかつての鉄道駅舎を利用したビジター・センター(観光案内所)があり、またトロリーバスやサウザンド・アイランズ・クルーズなどのボートもこの周辺から発着。町の観光の中心地ともなっています。

Springer Market Square スプリンガー・マーケット・スクエア

Homepage

市庁舎のすぐ裏にある広場で、4〜11月の火・木・土曜日にはパブリック・マーケットが開かれます。近隣の農家による野菜やフルーツの直売店をはじめ、メープルシロップ、魚、ソーセージ、ジャム、焼き立てパンなどを売る店が所せましと並びとても賑やか。新鮮な地元食材が安く手に入るとあり大人気です。またアートやクラフトを売る店もあり、お土産探しにも便利。このマーケットは、1801年から続いており、カナダでも最古の屋外マーケットのひとつとして知られます。また4〜10月の日曜日にはアンティーク・マーケットを開催。冬季は広場がスケートリンクとなり、誰でも無料で楽しめます。

Bellevue House ベルビュー・ハウス

Homepage

カナダの初代首相ジョン・A ・マクドナルドが、連合カナダの議員時代に暮らした家。イタリアン・スタイルの大変美しい建物で、国定史跡に登録されています。マクドナルドは、スコットランドで生まれ、幼少のころカナダ・キングストンに移住。若くして連合カナダの議員に選出され、1867年のカナダ自治領成立(カナダ建国)後は、初代、そして第3代首相として、大陸横断鉄道を完成させるなど、国土の拡大と安定に尽力し「カナダ建国の父」とも呼ばれる人物です。このベルビュー・ハウスは、もとは街の豪商が建てたものですが、その静けさと見事な美しさにひかれたマクドナルドが、病気の妻イザベラの療養のために借りたもの。残念ながらイザベラの病状は回復せず、また1歳の息子が急死、さらには経済的な問題もあり、夫妻は1年後にはダウンタウンの小さな家に移り住んだといいます。内部は一般に公開されており、重厚な家具が並ぶダイニングルームやマスタールーム、そしてイザベラの寝室など、10以上の部屋があり、マクドナルド夫妻が生活していた当時の様子が再現されています。7〜8月の週末には、当時のメイドなどの衣装を身に着けたスタッフによるガイドツアーも実施されます。

Fort Henry フォート・ヘンリー

Homepage

キングストンの東、セント・ローレンス湾に突き出すような半島部に作られた要塞。カナダの国定史跡であり、また世界遺産リドー運河の南の起点ともなっています。砦は、この奥のリドー運河沿いにあった海軍の造船所を守るため、1837年に完成しました。1812年の戦争以来、米国は常にここへの侵攻を狙っていましたが、この要塞ができたため攻撃を受けることなく、カナダは守り抜かれたといわれています。実際、1870年まで英国軍の駐屯地として使われていました。1938年の修復後は、歴史博物館として公開。現在は、1860年ころの砦の様子が再現されており、砲台が並ぶ防壁や、士官用の優雅な宿舎から、下級兵士が生活した兵舎や食堂などを見学できます。5月中旬〜9月中旬には、衛兵交代式などを毎日実施。また7〜8月の水曜(一部土曜日も)の夜には衛兵のミリタリーショーや花火などが楽しめる「サンセット・セレモニー」が行われ人気を博しています。このほか砦をお化け屋敷として公開する「フォート・フライト」(10月)などユニークなイベントも開催。グループなら兵舎での宿泊予約も可能です!

Waterfront Pathway ウォーターフロント・パスウェイ

Homepage

キングストンにはウォーキングやジョギング、サイクリングなどを楽しめる遊歩道がかなり充実していますが、中でもぜひおすすめしたいのが、オンタリオ湖畔に伸びる8kmのウォーターフロント・パスウェイ。中心地のコンフェデレーション・パークをはじめ、緑鮮やかなマクドナルド・メモリアル・パークなどいくつかの公園を結んでおり、湖を眺めながら気持ちよく歩くことができます。また周辺には市庁舎をはじめ5大湖博物館やかつての防衛施設マーニー・タワー、ベルビュー・ハウスなどの見どころも点在しており、観光ルートとしても便利です。

Kingston Mills キングストン・ミルズ

Homepage

世界遺産リドー運河の南の起点となるのが、キングストン。街の郊外にあるキングストン・ミルズでは、運河上に49か所あるロック(水門)の最南端にあたる4か所があり、夏の運河オープン期間は、現役のロックとして利用されています。行き交うクルーザーやハウスボートが次々とロックに入り、水位を変えながら高低差を克服し運河を進んでいく、そのシステマティックな様子は見ていて飽きません。キングストンの街からは車で20分程度の距離。周辺は公園となっており緑の中でのんびりと見学が楽しめますので、ぜひ足を伸ばしてみて。

見どころを自由に巡ることができるトロリー・ツアー

キングストンの史跡などを効率的に巡るなら、赤いトロリーバスを利用した「ホップオン・ホップオフ・トロリー・ツアー」がおすすめです。市庁舎をはじめ、ベルビュー・ハウスなどの史跡博物館、そしてフォート・ヘンリーなど、市内の見どころ8カ所に停留所があり、乗り降り自由。平日は45分おき、土・日曜は30分おきに運行しており大変便利です。チケットはオンラインで購入が可能です。
Hop On Hop Off Trolley Tours

キングストン名物のタウンクライヤー

市庁舎前にあるビジターセンター近辺では、クラシックな赤い衣装を着て、ベルを鳴らしながら大きな声で人々に呼びかけるおじさんをしばしば見かけます。彼は、キングストン観光局のマネージャーで、またキングストンのオフィシャル・タウンクライヤーとして知られるクリス・ワイマンさん。タウンクライヤーとは、18世紀ころのイギリスで、町の公式発表やニュースなどを触れ回る役割を担っていた人のこと。ワイマンさんは1984年から慈善活動としてこの仕事をはじめ、今やキングストンの名物となっています。イギリスで行われる「世界タウンクライヤー・コンテスト」で2回優勝するほどの実力の持ち主。古都のノスタルジックな雰囲気を、毎日大きな声で盛り上げています。