東京都の3倍以上の広さを持つ大自然地帯アルゴンキン。緩やかな起伏の丘陵地帯には、メープルやホワイトパインなどの鬱蒼とした森が広がり、その合間に宝石のような湖が点在します。
そんな雄大な森の風景を高台から眺めたり、静かな湖のほとりに出たりと、様々な角度から体感できるのが、アルゴンキン・ハイキングの魅力です。園内を横切る国道60号線沿いに16本のトレイルが整備されており、いずれも入り口には駐車場が完備。大きなルートマップも掲示されているので、気軽に立ち寄って距離などを確認することができます。
また、夏季にはトレイルの歴史や自然を開設したガイドブックも設置されており、とても親切。ガイドブックやトレイルの情報は園内にあるビジター・センターやゲートオフィスでも入手することができます。
●スプルース・ボグ・ボードウォーク Spruce Bog Boardwalk
湿地帯に敷かれたボードウォークをのんびりと。車いすもOK。1.5km、初級。
●ミジー・レイク Mizzy Lake
5つの湖を巡るフラットなトレイル。カメ、ビーバーなど動物観察のチャンスも。11km、中級。
●ルックアウト・トレイル Lookout Trail
登り続けると突然視界が開け、一面の森が目の前に。ドラマチックなコース。1.9km、中級。
●ブースズ・ロック Booth’s Rock
高台に張り出した大きなテラスのような岩場へ。眼下には美しい湖が広がります。5.1km、上級。
●センテニアル・リッジス Centennial Ridges
絶壁からアルゴンキンの森と湖を見渡す絶景の連続。10km、上級。
アルゴンキン州立公園では、夏の間、ナチュラリストのガイドと共に歩く無料のウォーキング・ツアー「アルゴンキン・パーク・ガイドウォーク」が行われています。テーマは、野生の花、動物、歴史など日によって様々。6月下旬から9月上旬まで毎日実施されています。日本語ガイドによるツアーもアレンジ可能!
北米五大湖最大の面積をもつスペリオール湖。その北岸にあるサンダー・ベイは、周辺に人気の州立公園が広がっており、変化に富んだウォーキングを楽しむことができる場所です。北欧文化が息づく街をベースに、巨大な湖と深い森、そして独特のメサ(テーブル状の丘陵)が織りなすユニークな自然を満喫してみませんか。
●スリーピング・ジャイアント州立公園 Sleeping Giant Provincial Park
スペリオール湖に飛び出した長い半島が丸ごと州立公園。園内には湖の絶景が楽しめる20本のハイキング・トレイルが整備されています。湖の展望台のような岩「サンダー・ベイ・ルックアウト」をスタート地点に、お好みのコースにチャレンジを。
●カカベカ・フォールズ州立公園 Kakabecka Falls Provincial Park
サンダー・ベイの東、落差40mの滝を中心に広がる自然地帯。川沿いに750mのボードウォークが伸びており、そこから4本のハイキング・トレイルにアクセスすることができます。森の中の小さな滝を目指す2.5kmのリトル・フォールズ・トレイルは、短いながらも満足感の高いルート。
様々な先住民の伝説が残り、スピリチュアルな空気が漂う「魂の島」、マニトゥーリン・アイランド。森で覆われた島の中にはいくつもの湖があり、さらにその湖にもまた島が点在する、そんなユニークな地形の中、数多くのハイキング・トレイルが整備されています。 たとえば、精霊ナナブッシュが湖の島になってしまったおばあさんを探すために登ったという「カップ&ソーサー・トレイル」など、伝説を巡るルートも豊富。島の先住民オジブウェ族が主催するグレート・スピリット・サークル・トレイルのガイド付ツアー「マザー・アース・ハイキング」では、彼らに古くから伝わる物語を聞きながら歩くことができます。
紅葉名所のひとつ、アガワ渓谷への入り口として知られるスー・セント・マリー。渓谷を訪れるアルゴマ・セントラル鉄道の日帰りツアーでは、現地で約2時間の停車時間があり、その間に展望台などへの絶景ハイキングが楽しめます。
また、スー・セント・マリーの北には、スペリオール湖の湖岸が美しいパンケーキ・ベイ州立公園や、先住民の岸壁画ピクトグラフが見られるレイク・スペリオール州立公園も広がっており、湖畔の景観を楽しみながらダイナミックなハイキングが楽しめます。
ヒューロン湖の東側を占めるジョージアン・ベイは、まるで南国の海のように真っ青な湖水と、波に洗われた奇岩が印象的な美しいエリア。特に、その南岸には自然を満喫するリゾートがたくさん集まっています。ハイキング・トレイルも、ユニークな地形や美しい湖岸線を楽しめるコースがいっぱい。快適なリゾートホテルをベースに、気軽に足を延ばせます。
●シーニック・ケーブ Scenic Cave
このエリアきってのリゾートエリア、ブルー・マウンテンの近くにある自然地帯で、126mの吊り橋から険しい渓谷の谷底や神秘的な洞窟、そしてジョージアン・ベイを見渡す断崖絶壁の展望スポットまで、表情豊かな景観の中、ハイキングが楽しめます。
●ブルース・ペニンシュラ国立公園
ジョージアン・ベイ南岸の美しさを余すところなく楽しめるのが、湖に突き出したブルース半島の先端部に広がるこの公園。園内には4本のハイキング・トレイルが伸びており、とくに森の中から美しい湖岸沿いに抜けるトレイルはおすすめ。もちろん水着もお忘れなく。ちなみにこの湖岸線のトレイルは、カナダ最長のハイキング・ルート、ブルース・トレイルの一部になっており、話題性も満点です。
トロントから車で1時間ほど西にあるハミルトンは、郊外に大小100以上の滝が流れ、豊かな自然に囲まれた街。滝巡りをしながら森の散策が楽しめるハイキング・コースもたくさん整備されています。水のカーテンのように優雅に落ちるウェブスターズ・フォールから、絶壁の高台ダンダス・ピークを目指すスペンサー渓谷のトレイルは特におすすめです。
カナダの首都オタワは、街全体に緑があふれ、あちこちに公園が広がる美しい街。世界遺産のリドー運河やオタワ川の畔などをはじめ、隣のケベック州ガティノーとあわせ、随所に「キャピタル・パスウェイ」という遊歩道が伸び、また郊外の自然地帯を歩く本格的なハイキング・トレイルも数えきれないほどに整備されています。
そんな中、ぜひ足を延ばしたいのは、川を渡ったケベック州側にあるガティノー公園。ダウンタウンから車で20分足らずの近さですが、小高い丘陵地帯に変化に富んだハイキング・トレイルが何本も伸びており、自然浴をたっぷり楽しむことができます。シャンプラン・ルックアウトというビューポイントからの眺めも、ぜひ堪能してください。
大都市トロントでも、ウォーキングは気軽に楽しめます。たとえば、ダウンタウンの北にあるエドワーズ・ガーデンズ&トロント植物園のような広大な庭園。あるいはオンタリオ湖に浮かぶ緑の島トロント・アイランドなどは、広々として緑や花があふれ、かなりおすすめ。また、オンタリオ湖畔に広がるハーバーフロントの遊歩道は、都市の摩天楼を眺めながら散歩感覚でのんびり歩ける人気スポットです。
ちなみにこのハーバーフロントの遊歩道は、オンタリオ湖畔やエリー湖畔などをつなぎ1,400kmに渡って整備が進んでいるウォーターフロント・トレイルの一部。まだすべて完成はしていませんが、トロントの湖畔ルートはかなりの長さで続いており、その気になれば相当の距離を歩くことも可能。湖沿いにたっぷり歩き、帰りはバスやストリートカーで戻る、そんな楽しみ方も面白いのでは。
日本の3倍もの面積をもつオンタリオ州は、そのほとんどが森と湖に彩られた大自然地帯。ハイキング・トレイルも各地に数えきれないほどあります。ここでご紹介した以外にも、マスコーカ、ピーターボロ&カワーサ地方、ナイアガラなど、トロントから比較的近いエリアにも素晴らしいトレイルが充実。行く先々でダイナミックなウォーキング体験が待っています!
ハイキング天国ともいえるカナダには、驚くほど長いトレイルも少なくありません。その代表といえるのが、「トランス・カナダ・トレイル」。これはハイキングやサイクリングなど、リクリエーション専用道として計画されているもので、太平洋から大西洋、そして北極海へと、カナダ全州をつなぐ壮大なルート。完成すると全長はなんと24,000kmになる予定です。オンタリオ州内のルートはオタワやトロント、ナイアガラをはじめ、サドベリーやサンダー・ベイなど、主要都市や五大湖周辺を巡って伸びており、すでにかなりの部分を歩くことができます。
このトランス・カナダ・トレイルは、カナダ建国150年となる2017年の完成を目指しており、現在も寄付を募りながら、各地のコミュニティー・ベースで造成が進められています。
ナイアガラからブルース半島のトバモリーまで、890kmの長さで続く「ブルース・トレイル」も、注目のルート。これは、ユネスコの世界生物圏保存地域にも登録されている長い断層「ナイアガラ・エスカープメント」上にあるトレイルで、整備された遊歩道としてはカナダでもっとも古く、また現時点ではもっとも長いルート。このページでも紹介しているハミルトンやジョージアン・ベイ南岸など各地の人気ハイキング・トレイルとも重なって伸びています。