グルメエリアとして注目されるプリンス・エドワード・カウンティ(PEC)ですが、地域一帯に流れる空気は素朴な田舎そのもの。エリア内を巡るロイヤリスト・パークウェイに沿ってドライブを楽しめば、豊かな田園風景と、しばしば顔を出すオンタリオ湖の鮮やかな水面に癒されることうけあいです。伝統的なたたずまいを残す小さな街やビーチなど、ローカルの人々が好んで訪れるスポットにも、ちょっと足を伸ばしてみませんか。
PECの中心となる街がここ。といっても人口4000人程度のこぢんまりとしたサイズです。50mほどの中心街には、街が設立された19世紀の面影を残す古いシアターや、レストランやカフェ、小さなブティックなどがならびます。ドライブ途中のコーヒーブレイクに、フラリと立ち寄るのにちょうどいい街です。
PECの南部、オンタリオ湖に面して黄金色の砂浜が延々と続く、とてもさわやかな場所。10〜20mほどの高さの丘が続いており、淡水湖に面した砂丘としては世界最大の規模。夏、ビーチでは水遊びやピクニック、バーベキューを楽しむ地元の人々で賑わいます。また様々な渡り鳥が集まる秋にはバードウォッチャーたちの人気スポットに。
ピクトンの街のすぐそばにあるこの湖は、流れ込む川もない丘の上にありながら、常に新鮮な水を満々とたたえているため、古くからミステリースポットとして尊ばれてきました。先住民の時代には魂が宿るとされ、また開拓者の時代には底なし沼とも信じられていたようです。実際には、この丘の石灰石が地下水の浸食によって深く陥没し、地下からの湧き水が満ちてできた湖。とはいえ、この湖の真下の60mも下がった場所にオンタリオ湖があり、そのふたつの湖の水位の差は今も見る人に不思議な印象を与えます。ちなみにこの丘はオンタリオ湖の入り江を見渡す絶好のビューポイント。キングストン方面に向かうグレノラ・フェリーがのんびりと航行するのどかな風景が眺められます。