Ontario Style Special Contents Vol.48 トラベルライター吉沢博子の現地レポート 地上365mで絶叫!  CNタワー「エッジ・ウォーク」に挑戦

オンタリオに通い続けるライターヨシザワです。ワイルドな世界は好きですが、高いところはニガテです。バンジージャンプだってやったことありません。昨年、トロントの新アトラクションとしてCNタワーの“エッジ・ウォーク”が登場した時も、内心では「私には無関係」だと思っていました。 ところが「オンタリオ通とか言いながら、この人気アトラクションを体験していないなんてねぇ」と、周囲からのプレッシャーが。
「わかりましたよ。やればいいんでしょ!」というわけで、半ばやけくそでこの“縁歩き”に挑戦する次第となりました。はるか上空での生身ウォーク、足がすくむような体験を動画とともにレポートします。
(Photo & Movie Courtesy of CN Tower)

そびえ立つタワーの外を歩く!

トロントのシンボル、高さ553.33mのCNタワー。「世界一高い塔」の座こそ東京のスカイツリーに譲りましたが、今、それ以上に注目されているのが、昨年登場した“エッジ・ウォーク”。地上365m地点で外に出て、タワーの周りを歩いてしまおうという、まさにエッジーなアトラクションです。

今年も5月から10月まで、シーズン2として営業しており、連日ほとんど予約満杯という盛況ぶり。実際、昼間ふもとからタワーを見上げると、米粒のように小さく、何人かが屋根の上に張り付くように歩いている様子が眺められます。

「私ももうすぐあそこに立つのか…」。これを見ただけで足がすくんでしまうヨシザワでした。

受付手続きからドキドキ

エッジ・ウォークの受け付けは、CNタワーの地上階、ギフトショップの奥にあります。予約時間よりやや早めに行くと、さっそく手渡されたのが参加条件への同意書や注意書。年齢は13歳以上(13〜17歳は保護者同伴が必要)で、体重は34kg〜140kg、健康であること。妊婦や骨折治療中の人、心臓、呼吸器に疾患のある場合は危険が伴います…といったような事柄がいろいろと書かれています。いたって健康体なはずなのに、なんだか心配になってきました。

オレンジ色のつなぎ&ハーネスで万全装備

次に通されたのは準備ルーム。エッジ・ウォークは1回6名のチームで構成され、今日一緒に挑戦するのは、女性3人と男性3人。ここにガイドのお兄さんがついてくれます。全員集まり、まず呼気中アルコール濃度のチェックが行われます。やっぱり酔っぱらいウォークは危険です(ランチにワイン飲まないでよかった…)。そして荷物は各自ロッカーへ。時計、指輪、ピアスなどのアクセサリー類もすべて外し、ポケットの中も空っぽにしておくよう指示されます。確かに、上空からうっかり何か落しちゃったら、かなり危険ですからね。ちなみにメガネやサングラスはちゃんとバンドで固定してくれるのでOKです。

靴はしっかりとした運動靴なら大丈夫ですが、必要に応じて専用シューズが貸し出されます。さらに体のサイズにあったオレンジのつなぎを着て全身をカバーした上からベルト状のハーネスを装着。肩から股に頑丈にベルトを渡し、複数のスタッフが2重、3重にチェックを行い、安全確認をしてくれます。さあ、準備万端。もう逃げられません!!

歩くのはタワー外周につけられた狭いプラットフォーム

オレンジのつなぎに身を包んだ7人のチームは、周りの人の絶大なる声援に送られて出発。情け容赦のない高速エレベーターで一気に上昇し、いよいよ出発地点へ。もちろんいきなり外に出るわけではありません。まず屋内の駅のような場所で上部のレールから下がっている極太のケーブルにハーネスをつなぎます。コレが命綱ですね。各人2本、胸と背中の両側からがっちりと固定。このレールは屋内から外に向かってが伸びており、どうやらこれに沿ってケーブルをスライドさせながらタワーの外部を一周するという仕組みのようです。

すべてが整うと、まずガイドさんから先に外へ。安全を確認した後「よーし、みんな出てきて」と誘い出され、全員が一列に並び、外にむき出しとなったプラットフォームへと出ていきます。といっても、足元はほんの1m幅の鉄の板。オンタリオ湖とハーバーフロントの風景がいきなり眼下に飛び込んできます。 「うわっ、高っ!!」思わず絶叫。これ、怖すぎます! 足が前に出ません。両手は命綱のケーブルを硬く握りしめ、ヒザはプルプル。わあ〜、来るんじゃなかった。

ギリギリの高みからトロントに挨拶

一歩外に踏み出したものの、すでに帰ることを考えているヨシザワ。けれどガイドさんはいたって陽気で、こちらの恐怖などお構いなしにいろいろとミッションを与えてきます。

まず第一弾は「手始めに、プラットフォームの縁まで進んで、地上のみんなに挨拶をしよう」です。なんと一人ずつやるために、適当にごまかすこともできません。こわごわと前に進むと、「もう一歩、さあ、あともう一歩だ!」と指令が飛び、本当にギリギリまで行かなくてはならないのです。恐る恐る覗き込む眼下には、おもちゃのような車とゴマのようにしか見えない人、そしてロジャース・センターの野球フィールド。下からの距離を考えると思わず全身にゾクッと電流が走ります。自分がこの高さに立っていることが信じられません。

ところがです。こわごわ下を覗き込んでいるうちになぜかちょっとした快感が。アレ、なんかイケるかも。思い切ってつま先を少しエッジから出して、トロントに向かって手を振ってみました。ほんの数秒。でもコレ、なんだか気持ちいいぞ!

後ろ向きで両手を離し、「体が浮いている〜!」

さて、みんなが少し落ち着いたところで次に出されたお題は、後ろ向きでプラットフォームの縁に立ち、空中に身を乗り出してみようというもの。「足の裏をエッジにひっかけるようにするのが、ポイントだよ」とガイドさん。もちろん、これも一人ずつ順番にこなしていかなくてはいけません。怖いのは、縁にただ立つだけではない点。ケーブルに完全に体を預け、両手を広げ、全身を外側に傾けてしまうのです。

「ケーブルが切れたらどうしよう…」。そんな不安を消し去り、思いきって空中へ。ハーネスがあるとはいえ、かろうじて足の裏が建物に引っかかっているだけ。

「おお! 浮いているみたいで気持ちいい!」。ちょっと大胆なアクションにも挑戦し、ガイドさんからは“フィアレス(怖いもの知らず)”の称号をいただきました。

そしてついに、トロントに向かって前のめりの飛翔ポーズ

アクロバティックな技をこなすだけが、エッジ・ウォークの魅力ではありません。みんなが高さに慣れてきたところで、ガイドさんはタワーの周りを一周しながら、あちこちに見える建物の説明もしてくれます。市庁舎、トロント大学、ロイヤル・オンタリオ博物館カーサ・ロマ。ガラスを通さず、直に見下ろす街の風景に感動もひとしおです。この日は風もなく、まさにエッジ・ウォーク日和。ちなみに強風の日には催行されませんのでご安心を。

さて、最後にもう一つ、「仕上げにトロントに向かって飛ぶようなポーズで決めよう!」という究極のミッションが。前向きでプラットフォームの縁に立ち、両手を広げ前のめりになるのです。でも、ここまで来るともはやみんな積極的。躊躇もせずに手を広げ、まさにトロント上空を飛んでいるような気分を満喫。

ふと見ると、入口からは次なる“新人”チームがビクビク登場してきていました。そこで私たちは、全員で空中に身を乗り出し、大胆ポーズをキメて、そのエキスパートぶりをアピールしたのでした。

エッジ・ウォークで実際に外を歩いている時間は約30分。面白いのは、この短い間に自分自身が全く変わってしまうことです。最初は高さにとにかくおびえ、ヒザをガクガクさせていたのに、最後にはむしろ自分から進んで空中に身を乗り出すほどになるのですから。終了後、なんだかすがすがしい気分で、降りるのがもったいないと思ったほど。自分でもびっくりです。

今なら言えます。スリル満点の体験がしたい方、ダイナミックなことをしてみたい方、絶叫したい方、そしてちょっと自分を変えてみたい方にも、ぜひオススメです!

料金:1人C$195(※2015年5月現在)
(エッジ・ウォークのほか、ルックアウト、グラスフロア、スカイポッド、モーションシアター・ライドなど、CNタワーの全アトラクションも利用できます。またエッジ・ウォーク中の写真、全員での記念写真、DVD、体験証明書もプレゼントされます)。

所要時間:集合から解散まで約90分。

※事前説明やエッジ・ウォーク中のガイドなどはすべて英語ですが、身振り手振りを交えて話してくれるので、英語が苦手な人にも理解でき、大きな不安はありません。