オンタリオ州は今、フィギュアスケートで盛り上がっています。10〜12月に6か国で行われた「フィギュアスケート2012年グランプリシリーズ」では、第2戦「スケート・カナダ」(10月26〜28日)がオンタリオ州ウィンザーで開催され、注目されました。そして来る2013年3月には、オリンピック出場をかけた大会「2013世界フィギュアスケート選手権」も、やはりオンタリオ州ロンドンで開催されることに。
そこでトロント在住のカメラマン平田誠さんが、ふたつの会場を徹底取材! まずはウィンザー大会の様子を練習日からじっくりレポート、さらにロンドンに飛んで会場予定地や周辺をチェック。観戦のウラワザなどもご紹介します。
3月、日本人選手の活躍も大いに期待される世界フィギュアを、オンタリオ州ロンドンに見に行きませんか!

平田誠(Makoto Hirata)

トロント在住のフリーランス・カメラマン/ブロガー。トロント観光局の日本語ブログを中心に、ファッションショー、フード、ローカルイベント、スポーツ、コンテンポラリーダンスなどあらゆるジャンルの写真を撮影し、執筆もこなしています。活躍のエリアはトロントやオンタリオにとどまらず、今年2月に撮影したオーロラ(イエローナイフ)の写真が「地球の歩き方 カナダ2012-13」巻頭グラビアページに掲載中。

ウェブサイト:www.makotophotography.ca

ウィンザー大会レポート

グランプリシリーズ第2戦「スケート・カナダ」の会場に潜入!

対岸に「アメリカ自動車産業の中心地」デトロイトを眺める国境の街ウィンザー。その街はずれに、会場となったWFCUセンターはあります。
トロントからはハイウエイで約5時間、もちろん飛行機でアクセス可能。またアメリカのデトロイトからなら、空港から車で国境を越え約20分と便利です。
早速、撮影許可証をもらいにメディアセンターへ。会場にはスケート・カナダのスタッフをはじめ、多くの地元ボランティアの皆さんが集まっていました。リンク整備、会場誘導、フラワー・ガールにいたるまでカナダの象徴、人なつっこい笑顔とホスピタリティーで迎えてくれました。

会場となったWFCUセンター

ボランティアによる大会スタッフ

内部ではグッズ販売やスポンサー企業の展示、温かい飲み物やドーナツなどのフィンガー・フードも販売していました。こうしたところを覗いてみるのも、テレビ観戦では体験できない楽しみのひとつですね。
さて、いよいよ会場内に入ると意外にヒンヤリ。「観戦ツウ」の皆さんは、固めの椅子に座布団を乗せ、暖かい服装に加え膝掛けも持参。これが快適に楽しむコツのようです。写真はたまたま声をかけてくれたウィンザー生まれのジョーさん。
「Welcome to Windsor! いい街でしょう!」と、10分に渡り気さくに街を宣伝してくれました。

みんな防寒対策もバッチリ

隣り合わせた人と話が弾むのもカナダならでは

練習日から熱気いっぱい

大会は、ご存知の通り女子、男子、ペア、アイスダンスの部門があり、それぞれショートプログラム、フリープログラムで演技を競います。競技は2日間に渡って行われ、3日目の「ガーラ」と呼ばれるエキシビションで閉幕します。
私は、まず大会前日の公式練習から潜入。といっても、この練習日のチケットも一般に販売されており、ここから見続ける熱心なファンも少なくありません。実際リンクでは日本語の大きな横断幕が掲げられており、はるばる日本から応援に来られた方々の姿も見かけました。
練習セッションは座席指定無し。カメラマンも原則どこからでも撮影可でしたのでリンクサイドへ直行。世界のトップ・フィギュアスケーターが目の前で入念なチェックを行う様子は、リラックスした雰囲気の中でも、さすがの迫力。リンクではちょうど、織田信成、カナダのパトリック・チャンが練習をしていました

練習中のパトリック・チャン

日本からのサポーターが用意した横断幕も

生で見るトップ選手たちの演技に感動!

10月26日、いよいよ大会当日です。昨日とはガラリと違い、華やかなコスチュームに身を包んだ選手の皆さんが、緊張した面持ちでリンクに登場します。まずはショートプログラム。女子、男子、ペア、アイスダンスの各部門でそれぞれ2グループに分かれて行われる演技は、見るものの心を打ちます。この日は朝8時過ぎに会場入りし、午後10時すぎまで延べ14時間の撮影を行いました。

ショートプログラムでトップとなったグルジアのエレーネ・ゲデバニシビリ

アメリカ、グレイシー・ゴールドはこの日9位に

ペア1位のドイツ、アリオナ・サフチェンコ&ロビン・ゾルコビー

そして2日目。ハリケーンの影響で朝からの強風と雨にも関わらず、会場には続々と観客がリンクに集合。決勝となるフリーの演技は前日の結果を受けての得点順。優勝をめざす演技にも力がこもります。
女子で前日首位に立ったグルジア出身、エレーネ・ゲデバニシビリ。トロントが本拠地の彼女は完璧な演技で初日トップも、決勝では極度の緊張から力を出せず5位に沈みました。いっぽう優勝したのはカナダ出身のケイトリン・オズモンド。グランプリシリーズ初出場・初優勝の快挙を成し遂げました。そして初日に出遅れた鈴木明子は決勝で高得点を出し銀メダル。こんなドラマがあるのが、フィギュアスケートの醍醐味ですね。

優勝したカナダのケイトリン・オズモンド

2位は日本の鈴木明子

そして銅メダルを獲得した村上佳菜子

男子は、優勝候補のパトリック・チャンが惜しくも2位。地元選手だけに、リンク全体を揺るがすような応援は壮観でした。優勝は前日首位のスペイン出身、ハビエル・フェルナンデス。チャップリンを思わせる見事な表現力と華麗なジャンプで、金メダルを手にしました。日本の織田信成は3位。ユーモアたっぷりの特別解説席からは「将軍の末裔で、一児のパパなんです!」と紹介されていました。カナダ人に「将軍」の部分がどれだけ分かったかは不明ですが、微笑ましい一コマでした。
また、ひときわ優雅だったのがアイスダンス。バンクーバー冬季オリンピックで優勝したテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア・ペアが大声援の中、見事な演技で優勝を果たします。

パトリック・チャンに向けられた盛大な応援

1位となったスペインのハビエル・フェルナンデス

アイスダンス優勝はカナダのテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア

注目の日本人選手ですが、男子では織田信成(3位)、無良崇人(8位)女子は鈴木明子(2位)、村上佳菜子(3位)と、4人中3人が表彰台に上がる活躍を見せました。
そうそう、日本のメディアでは報道されていませんでしたが、表彰台はメープルの葉をかたどったもの。こんな所がカナダチックですね〜!

男子シングル表彰台。織田は見事3位!

メープルリーフをモチーフにした表彰台

女子シングルでは鈴木、村上が表彰台に

さあ、次はロンドン!

3月、注目の世界フィギュアをオンタリオで!

ウィンザーに続き、2013年3月にはオンタリオ州ロンドンで、大注目の世界フィギュアスケート選手権が開催されます。ロンドンはトロントとウィンザーの中間にあり、人口約43万人。オンタリオ南西部の中心都市です。3月の大会を楽しむため、この街の下見もしてきました!
会場は、「バドワイザー・ガーデンズ」。なぜバドワイザー? 実はここロンドンは、カナダ有数のビール・メーカー「ラバット」発祥の地でして、この会社がアメリカ以外では唯一「バドワイザー」の生産もしているのです。その縁から、今年2012年、従来の「ラバット・センター」から世界的ブランド「バドワイザー」へと改名したというわけです。

歴史的な建物も多いロンドンの街並み

世界選手権の会場となるバドワイザー・ガーデンズ

ロンドン市内はコンパクト。会場は街の中心にあるため、ダウンタウンのホテル(デルタあるいはヒルトンなど)に宿泊すれば、徒歩15分圏内と便利です。
会場を出てすぐ正面徒歩1分にはマーケット(Covent Garden Market)があり、地元御用達のコーヒーやサンドイッチ店などに加え、夜も営業のレストランが便利。
3月のカナダは気温もマイナスと寒い日が続きますので、アクセス抜群のマーケットは要チェックです。

大きな屋外市場コベント・ガーデン・マーケット

街の名は英国のロンドンにちなみ、市内にはテムズ川も

観戦をもっと楽しめる、おすすめシートはココ!

さて、ロンドンの世界フィギュアをより楽しむために、今回の取材を通じて仕入れた「観戦のコツ」もいくつかご紹介しましょう。
まずはバドワイザー・ガーデンズのシーティングマップ(座席表)でリンク正面の「審判員席」と「キス&クライ(演技を終えた選手が結果を待つ席)」の位置をチェックしましょう。
審判員席周辺は、選手の演技を正面から見ることができる特等席。とくに「Lower Bowl」と呼ばれるリンクに近い席は、プラチナ・チケットと呼ばれてすぐに売り切れてしまうほどの人気があります。また演技後の選手の微妙な表情も見たい方は、「キス&クライ」周辺の低い位置の席もおすすめです。
さらに、もうひとつチェックしたいのがリンクのコーナー席。ルールが大きく変わった今シーズンは、難易度の高いスピンをプログラム後半に入れる選手も増えています。コーナーは勝敗を左右するドラマチックなシーンを目撃できるチャンスの高い席です。

正面から演技を見られる審判員席周辺

お馴染み「キス&クライ」の近くも人気

ダイナミックなジャンプが間近で見られるコーナー席

LONDON welcomes you!

最後に、ウィンザー大会の期間中にお世話になったスケート・カナダのメディア担当者、デボラさんにお話をお伺いしました。
「私たちは今、オンタリオ州ロンドンで来年2013年に行われる世界大会の開催に向け、準備を進めています。2014年に行われる冬季オリンピックの前哨戦となる大会がカナダで行われることを、誇りに思っています。私たちは、世界のトップ・フィギュアスケーターの皆さんが存分に実力が発揮できるよう、また世界中のファンの皆さんが楽しんでいただけるように、願っています。Welcome to London, Ontario Canada!」

さあ皆さんも、フィギュア最高峰の戦いを見に行きませんか。3月、オンタリオ州ロンドンへ、GO!

スケート・カナダのデボラさん

大会に向け、ロンドンの街は盛り上がっています!

2013世界フィギュアスケート選手権

http://www.worlds2013.ca

  • ●大会スケジュール
  • 3月11日(月) 公式練習
  • 3月12日(火) 公式練習
  • 3月13日(水) オープニング・セレモニー ペア・男子ショートプログラム
  • 3月14日(木) 女子・アイスダンス ショートプログラム
  • 3月15日(金) ペア・男子フリープログラム、表彰式
  • 3月16日(土) 女子・アイスダンス フリープログラム、表彰式
  • 3月17日(日) エキシビジョン・ガーラ

●チケット
バドワイザー・ガーデンズのウェブサイト内チケット販売ページからオンラインで購入可能。

●日本からの観戦ツアー
多くの旅行会社が、日本から訪れる大会観戦ツアーを販売しています。
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