オンタリオMAP

カナディアン・クラブを生んだ国境の街

幅の広いデトロイト川沿いに延々と延びる緑豊かな公園。川を越えたら、そこはもうアメリカ。ウィンザーはまさに国境ギリギリにある街です。のどかな遊歩道から対岸には、高層ビルが建ち並ぶデトロイトの街が眺め渡せます。
20世紀初頭にデトロイトのフォード社がウィンザーにも工場を開設して以来、ふたつの街はツインシティのような関係となり、北米の自動車産業の中心地として栄えてきました。
けれど、昔からこの街には国境があり「アメリカではない」が故の様々な役割も与えられてきました。例えばお酒を造ることもそのひとつ。19世紀のアメリカ禁酒法時代には、この街の川沿いにウイスキー工場が林立していたといいます。目的はアメリカへの輸出。当時、カナダではお酒の製造や輸出は合法。それが川を渡ったとたんに「密輸酒」となるわけです。しかしながらお酒の需要は高く、ギャングたちの暗躍によってたくさんのウイスキーがカナダからアメリカに運ばれたのです。
そんな背景の中、カナダを代表するウイスキーも生まれました。ハイラム・ウォーカーによって造られた「カナディアンクラブ」です。そんな国境の街ならではの意外な歴史をひもときながら、この美しいエリアの散策を楽しんでみませんか。

アメリカとの国境が実感できる見どころがいっぱい!

Canadian Club Brand Centre カナディアンクラブ・ブランドセンター

Homepage

1856年、デトロイトのビジネスマン、ハイラム・ウォーカーは、アメリカ各地で禁酒法が施行されるのを見越し、川の対岸にあるカナダのウィンザーにウイスキー蒸溜所を建設しました。カナダの良質なトウモロコシや麦などを原料に造られたウイスキーは、禁酒法時代のアメリカで大評判に。とりわけ彼の造るウイスキーは、上流階級のクラブでもてはやされました。そこで、アメリカ産ではないことを示すため「カナディアンクラブ・ウイスキー」というブランド名が誕生したのです。本社ビルは、現在「カナディアンクラブ・ブランドセンター」として公開され、内部の見学や数種類のカナディアンクラブのテイスティングが体験できるツアーが行われています(5〜12月)。当時のままの家具が置かれたウォーカーの執務室や接待や商談に使われたという部屋もみることができます。周辺には、ウォーカーが私財で造り上げた街、ウォーカービルが今も広がっています。

ブランドセンターで取材した、カナディアンクラブ誕生秘話はこちら

Great Western Park グレート・ウエスタン・パーク

ウィンザーの中心地から程近いデトロイト川沿いにある、全長5kmの遊歩道が延びる公園。川で魚釣りをしたり、サイクリングやローラーブレードをしたり、散歩がてらベンチで休憩したり、と住民の憩いの場にも。また、遊歩道の随所にユニークなアートが展示されており、これを見ながら歩くのも楽しみです。
川の向こう岸は、デトロイト。GMなど自動車会社の本社ビルが両岸に建ち並ぶ姿が見られ、ここが北米の自動産業の中心地であることも感じられます。公園の下には、対岸とをつなぐ「デトロイト・ウィンザー・トンネル」が延びており(上から見ることはできませんが)、また西の端には長さ2,300mのアンバサダーブリッジがかかっています。いずれも両国の出入国審査場やデューティーフリー・ショップなどもあり、ここでも“国境”を実感できます。